業界ごとに異なる正社員と派遣の立場

正社員の給料は高く安定していて、人件費削減のために派遣を使っているという会社は多いです。しかし、業界によっては、既に逆転減少が発生していることに気が付いていないでしょう。メディアで取り上げる際には、記者が取材した中で記事が出来上がるので、理系の技術職や専門職で起こっている出来事が取り上げられることは少ないからです。とりわけ、IT業界では派遣社員として働く人材の時給は、正社員を遥かに上回っている状況が発生しており、優秀な人材ほど仕事内容で就業先を決めている傾向が高まっています。

システムエンジニアという言葉は、日本独自に使用されている用語ですが、上流工程を管理するプロダクトマネージャーやシステムアーキテクトを担当する人材は、プロジェクト単位で仕事を請け負う傾向が高まっています。会社に所属しないフリーランスとなることで、集中して働き長めの休暇を取る勤務スタイルが効率的と考えられているからです。最初からフリーランスで仕事を請け負うことは出来ないので、最初はプログラマーから入り徐々に上流工程を担当して技術力を身に付けた上で独立する流れが高収入と仕事が途切れない良い循環を生むことになります。派遣社員として働くことで、スキルアップに役立たない雑用を最初からある程度省くことが出来るので、正社員で埋もれてしまわない働き方をする優秀な人材ほど非正規雇用で腕を磨く傾向も強まっています。働き方が多様化していることで、正社員でも派遣社員でもチャレンジ出来る環境が整っている状況が生まれています。